手にとる宇宙 Space in Capsule[1]
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spacer.gif1. 概要 spacer.gif

宇宙飛行士による船外活動の際に、シリンダー状の器に宇宙を詰め、地球に持ち帰る。
このシリンダーは、単に宇宙から持ち帰られたというだけにとどまらず、あたかも宇宙の一部がシリンダーによって獲得され、地球に持ち込まれたかのような印象を与える。そのシリンダーを目の前にしながら、人々はそこに無限大の宇宙を眺め、触れているかのような感覚を呼び起こされるはず。
それは、人々に、地球上でのもろもろの日常生活を対象化する視点を与え、さらに宇宙の中に浮かぶ地球というイメージの獲得へと向かわせる。地球全体をかけても宇宙の中では一つのローカルであるという、新たな地球意識の形成が始まる。
その結果 、宇宙における人間の位置(「われわれは広大な時間と空間のどこにいるのか」)への自覚と、かけがえのない地球環境への愛情や新たな価値意識、異文化の人間どうしの新たなコミュニケーション意識を育むことにつながっていく。

 
2. シリンダーの試作 s.gif

2002年1月に行なった野口宇宙飛行士へのインタビューに基づき、シリンダーの試作を行なった。インタビューでは特に以下の点に留意するよう指摘があった。

1.船外では分厚い手袋をしているので、シリンダーの栓をひねったり、小さい蓋をするなどの作業は困難。開閉には工夫が必要。

2.船外へ持ち出すので、「宇宙のごみ」とならないよう、また船外活動の邪魔にならないようにしっかりと宇宙服に装着できるような形状であること。


1.に関しては、大阪のバルブ専門企業の協力を得て、栓をひねることなく、ワンタッチで開閉でき、しかも超真空を長期間保つことができるようなバルブを持つシリンダーの製作図面を依頼した。(図1参照)
2.に関しては、設計に宇宙服の形状、宇宙飛行士の動きに関する情報も必要なため、ちょうど8月に実施した NASA 研修および宇宙飛行士へのインタビューにあわせ、外見も含め、シリンダーの具体的なイメージがつかめるようにステンレスによるシリンダーの製作を行ない、インタビューに持ち込むこととした。(図2参照)

 

capsule.gif s.gif capsule.jpg
図1 s.gif 図2
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