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心の場 - 1
1. はじめに
古来より芸術は,人間をとりまくあらゆる環境に対して,その根源的関係を探り 認識し,つねに新しく変化する記憶や感覚,感情,変容する感性によって,自然観や世界観を直感的に捉え,それらを新たに構築し表現してきた。

宇宙という概念,そして宇宙環境そのものが直接人間に作用する現在において,人間の感性はもとより,生命観,自然観,世界観は大きく変容してきている。芸 術は,何よりもその変容を直ちにリアリティのあるものとして認識しないかぎり,確かな表現へと結びつかない。芸術を支えているものは,普遍的な生命観や世 界観とともに,つねに変容するあらゆる事象を確実にリアルに感じとることのできる感性であり,それが芸術の出発点となっている。

人間の宇宙への進出は,これを契機に直接的に人間の生命観,自然観や世界観等,あらゆるものの哲学的な価値観を変容させている。当然のことながら,芸術に おいても,あらためて本来の意味に立ち帰り「芸術とは何か」,「芸術の本質は何か」を問い直すこととなった。これは,より根源的な意味における「人間とは 何か」,「自分とは何か」を問うことによって起こる,宇宙の総体としての世界観や生命観の変容,新しい形の人間の哲学をもとに始まっているのである。



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